なぜSaaS導入は社内で止まるのか?情シスと現場を分断する“言葉の壁”
「タスク管理をSaaSに移行します。」
その一言から、社内の空気が静かに止まった――。
現場では、長年使い続けたExcelの関数ファイル。
同時アクセスでフリーズし、誰かが上書きし、最新版が分からなくなる。
それでも、皆どこかで安心していました。
なぜなら、Excelは“自分で守れる世界”だからです。
現状の課題:SaaS導入が止まる本当の理由
情シスは「セキュリティ」「権限設計」「クラウド最適化」と語ります。
現場は「今日のタスク」「誰が担当か」「急ぎの案件」と語ります。
同じ会社なのに、使っている言葉が違う。
ここに“言葉の壁”が生まれます。
さらに、人の脳は変化を危険と判断します。
- 新しい操作で失敗したら評価が下がるのではないか
- 入力ミスで責任を問われるのではないか
- 今までのやり方を否定されるのではないか
これが防衛本能です。
その結果、SaaSは「便利なはずの負担」になり、
やがて現場は静かにExcelへ戻ります。
Excel神話とフリーズの正体
複数人が同時にアクセスし、処理が重くなり、フリーズする。
それでもExcelを使い続ける理由は何でしょうか。
答えはシンプルです。
「自分の裁量で完結できるから」。
SaaSは共有前提。
透明性が高い分、責任も見えます。
Excelは閉じた世界。
失敗も修正も、自分の中で完結できます。
この心理を理解しないまま、
kintoneやHubSpot、Zoho CRM、F-RevoCRMを導入しても、
バタフライ効果のように小さな抵抗が広がり、
やがて導入は止まります。
解決の糸口:失敗しない5つのCheckPoint
① 共通語を作る
専門用語を減らし、「今日やること」「誰が担当か」など、
現場視点で翻訳すること。
② 小さく始める
最初から全機能を使わない。
タスク管理だけなど、失敗しても怖くない範囲から。
③ Excelを否定しない
Excelは敵ではなく、過去の成功体験。
橋渡し設計が必要です。
④ 保留名簿を資産に変える
次アポなしリストは放置コストではなく可能性。
ランチェスター戦略のようにエリアを絞り、
ステップ配信やフォロー設計で確実に成果へ。
入力ミスによるエラーメール確認導線も忘れてはいけません。
小さな改善が信頼を守ります。
⑤ 心理的安全性を設計する
「失敗しても大丈夫」という空気がなければ、
どんなSaaSも定着しません。
実施から成果へ
ある企業では、タスク管理を3項目だけに絞り導入しました。
すると、会議時間が減り、
「誰がやるか」で揉めることがなくなりました。
小さな変化が連鎖し、
やがてバックオフィス全体の効率化へ。
詳しくは
失敗しないSaaS導入5つのチェックポイント
もご覧ください。
また、
バックオフィス効率化ツール特集
も参考になります。
言葉の壁については
こちらの記事
もおすすめです。
SaaS導入が止まる理由は、ツールではありません。
人の心の奥にある、小さな恐れです。
その壁を越えたとき、SaaSはコストではなく「資産」に変わります。


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